高級賃貸のタワーマンションは地震に弱い?地震発生時のリスクとは
タワーマンションと地震と聞いて「倒壊するのでは」と心配する声を耳にします。しかしタワーマンションは厳しい基準のもので建てられているため、倒壊する心配はほとんどありません。ただし倒壊しないにせよ、タワーマンションならではの意外なリスクもあります。ここでは震災時におけるタワーマンションのメリット・デメリットを紹介します。
タワーマンションで起こりやすい地震発生時のリスク
タワーマンションでは、地震発生時のリスクとして次の3つが挙げられるようです。
■揺れが厳しい
地震発生時、とくに高層階は非常に揺れます。ただしこれは建物が折れないように、弾力性を持たせて力を逃しているためです。
■エレベーターが止まる
タワーマンションに限らず、地震でエレベーターが止まることは多々あります。しかしタワーマンションの場合、通常のマンションよりもエレベーターに乗っている時間は長くなりがち。
その分、閉じ込められるリスクも高くなります。また、非常用エレベーターを備えるマンションもありますが、非常用電源で動かせるのは3日程度です。それ以降フロアーの移動手段は階段になり、とくに高層階居住者の移動は困難を極めます。
■ライフラインの停止
大規模災害によりライフラインが停止すると、とくにトイレやゴミが大きなリスクとなります。地震で排水機能が落ちるとトイレの使用が制限されたり、また世帯数が多いタワーマンションでは、行き場を失った大量のゴミが異臭の原因にもなったりしかねません。
タワーマンションの耐震構造とは
タワーマンションの耐震構造は主に3つ挙げられます。
■「耐震構造」
建物そのものが地震に耐えられる強さで造られた構造体で、地震の揺れをそのまま受け止めるタイプです。
■「制振構造」
地震のエネルギーを吸収する制振部分を建物の骨組み部分に設けて、振動や衝撃を和らげます。
■「免震構造」
積層ゴムと呼ばれる免震装置で地震の振動を吸収し、建物に揺れが伝わるのを防ぎます。
タワーマンションで行われている安全対策
タワーマンションのような「超高層建物」は、安全上必要な構造にて厳しい審査をクリアして、国土交通省の認定を受けることが義務付けられているようです。万一、タワーマンションが倒壊すると、周辺地域に甚大な被害をもたらすため、通常のマンションの何倍も安全に配慮されています。
タワーマンションで起こりやすい地震以外のリスク
分譲販売時、少しでも安く見せるために修繕費などを抑えて募集するケースがあります。そのため後に修繕費が大幅に増額されるケースがあるようです。
またマンションの老朽化に伴い、資産価値が下がる可能性もあります。多くの世帯が集まるタワーマンションには、実にさまざまな人が住んでいます。中には気の合わない人、または平気で人に迷惑をかける人もいるかもしれません。このように近隣住民の質に懸念するリスクもあります。
リスクが合ってもタワーマンションに住むメリット
タワーマンションには、「ステータス性」や「美しい景色」といったわかりやすいメリットの他にも、さまざまな点で生活を豊かにしてくれます。
■周辺環境の利便性
多くのタワーマンション周辺には、コンビニやスーパー、病院などが整っているようです。また公園などを併設しているマンションも多く、子どもの遊び場、お母さん同士の交流の場としても利用されています。
■高いセキュリティ性
多くの高層マンションではオートロックが何重にも備わっており、関係者以外の人が入りにくくなっています。
■しっかりした構造・設備
タワーマンションは耐震・耐火性に優れ、かつスプリンクラーや防火シャッターなども備えているようです。普通のマンション以上に安心といえるでしょう。また、マンションの構造もしっかりしている分、防音性などにも優れています。
頻発する地震に対して、多くのタワーマンションでは住民の安心・安全への配慮、そして周辺地域への影響を考慮した耐震性能を有しています。一方、高層マンション故のデメリットも紹介しました。それぞれの長所・短所を熟考して、タワーマンションをぜひ検討してください。