経営者には賃貸物件が人気?その理由とは
「持ち家よりも賃貸物件が経営者には人気だ」という話を聞いたことはありませんか。じつは会社の成長や経営の柔軟性を考慮した場合、賃貸物件には多くのメリットがあります。とくにスタートアップや中小企業の経営者にとって魅力的です。ここでは、その理由について4つのポイントに分けてくわしくご紹介します。
審査にとおりやすい
とくにスタートアップ企業や創業時の企業にとって、賃貸物件の審査がとおりやすいことは大きなメリットです。創業間もない企業は、実績が乏しいため、個人契約の場合、賃貸物件の審査で苦労することが多いです。
まだ安定した収入や事業の将来性が証明されていないため、家主や管理会社からはリスクが高いと見なされることがあります。
しかし、会社名義で契約することで、個人に比べて審査が通りやすくなるケースが多いです。これは、企業が法人としての信用力を持っており、経済的な安定性を期待できるからです。
会社の成長にあわせて住まいを柔軟に変更できる
事業の成長にともない、経営者は拠点を移したり、住環境をグレードアップする必要があるでしょう。賃貸物件であれば、契約は通常2年ごとに更新され、その都度更新料を支払うか、新たな物件に移るかを選べます。
これに対して、持ち家の場合、購入時には大きな初期投資が必要なうえ、売却や引っ越しに手間と時間がかかります。賃貸物件であれば、経営環境の変化に応じて短期間で柔軟に住まいを変更できるため、事業の成長にともなう変化に対応しやすいといえます。
税金対策として社宅としての利用が可能
経営者が会社名義で賃貸物件を契約し、それを社宅として利用することで、税金対策にもつながります。会社が家賃の50~80%を負担し、その分を会社経費として計上することで、実質的な家賃負担を軽減できます。
これにより、経営者の個人的な負担を減らすだけでなく、会社としても税務上のメリットを享受できます。一方、住宅手当を支給する場合、その手当は従業員の所得として扱われるため、税金や保険料の負担が増えてしまいます。社宅としての利用は、会社にとっても経営者にとっても合理的な選択と言えるでしょう。
修繕費を損金算入できる
会社が賃貸物件を契約し、その物件に対して修繕を行う場合、その修繕費を損金として算入することができます。損金算入とは、会社の収益から差し引くことができる経費や損失のことで、これにより課税対象となる収益を減少させ、結果として節税効果が得られます。
たとえば、物件の修繕費用や減価償却費、不動産所得税などが損金算入の対象となります。これにより、会社の財務状況を改善し、より効率的な経営が可能となります。
まとめ
賃貸物件は経営者にとって多くのメリットを提供します。審査のとおりやすさや、会社の成長に応じた住まいの柔軟な変更、税金対策としての社宅利用、そして修繕費の損金算入など、賃貸物件を選ぶ理由は多岐にわたります。賃貸でも十分にグレードの高い物件も多く存在するので、持ち家にこだわらず高級賃貸を選択する経営者もいるようです。